数字でみるニッポンの医療 // 読者の疑問に答えて大好評！

１．医療費の負担
国民の多くは医療費の負担を重いと感じているが、諸外国と比べると実はかなり低い。OECD（経済協力開発機構）が発表した「ヘルスデータ2007」によると日本は全30ヶ国中22番目でGDP比では8％でした。しかし、この統計には含まれない差額ベット代などの保健外費用があるので、負担が重いと感じている。

２．生存率・有効率の真相
生存率の統計は、治療後に死亡した人を確認し、年ごとに死亡率（％）を算出し、それを100％から引いて求めます。従って、いずれの患者の消息も不明ならば生存率は100％と計算されます。また、抗ガン剤の有効率は画像診断でガンの面積が半分に縮小した状態が1ヶ月以上続いたか否かで判断します。有効率が2〜3割ならば通常、医薬品として承認される様です。従って、抗ガン剤の有効率が3割でも数ヶ月も経過してガンが増大すれば、治癒率はゼロとなります。

３．専門医30万人？
全国の医師28万人の60％が何らかの専門医資格をもち、なかには一人で複数の資格を持っている医師もいます。資格認定を行う学会が120以上もあり、現実には「名ばかりの専門医」も少なくありません。さらに心臓の冠動脈バイパス手術で件数の少ない病院は手術を多く実施している病院に比べて患者の死亡率が2倍も高いとの発表もあります（2006年日本胸部外科学会）。

数字でみるニッポンの医療 (講談社現代新書)

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